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こんにちは、おふと申します。
今回は「アジアチャンピオンズリーグ(ACL)」の放映権についてです。
なかなか決まらなかった「2021年のACLを中継する放送局」。
東地区グループステージがあと数日で開幕するという6月18日にやっと発表されました!
放映権を獲得したのは、ネット配信サービス「DAZN」でした。
「アジアチャンピオンズリーグ(ACL)独占放映権獲得」は「DAZN」が「Jリーグ」に賭ける大勝負?
Jリーグが好きな人なら、おそらくもう加入しているはずの「DAZN」。
その「DAZN」のコンテンツに「アジアチャンピオンズリーグ(ACL)」が加わりました。
Jリーグファンとしては、大歓迎である今回のニュース。
…でも、「DAZN」にとっては大きな賭けに出たのではないでしょうか?
今回は「DAZN」の立場で考えてみたいと思います。
「DAZN」は月額1,925円の定額制ネット配信サービス
「DAZN」はスポーツを中心としたネット配信サービスです。
てっとり早く説明すると
基本的にスマホの「アプリ」でライブスポーツを視聴する定額制のサービスです。
だから、「DAZN」の収入は基本的に「月額1,925円×加入者数」。
(もしかすると、コンテンツ内のCMで少しは稼いでいるかもしれませんが…)
なにが言いたいかと言うと…
「加入者数が増えないと収入が増えない」
そんなのは当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、
この事が「ACL独占放映権獲得」というニュースを聞いて、
「DAZNが賭けに出た」と僕が思った根拠です。
「DAZN」はJリーグファンの為に「日本では不人気のアジアサッカー」を本気で取り組んでくれるのではないか?とめっちゃ期待しています!
不人気な「アジアチャンピオンズリーグ(ACL)」とは…
「ACL」とは、「最強のアジアサッカークラブを決める大会」です。
ACLの特徴は「とにかくカオス」であるという事。
「Jリーグ」を毎週末見ている人なら、「これはサッカーではない」と言いたくなるような試合が年間に何試合かはでてきます。
例えば、「乱闘」。
試合終了後に「浦和レッズ(日本)」の選手が「済州(韓国)」の選手達に追い掛け回された事がありました。(実話)
例えば、「疑わしい笛」「狂った審判」。
ACLで「中東の笛」「韓国の笛」があるのかどうかは「闇の中」ではありますが…
そんな事を疑わせるような狂ったジャッジを繰り返す審判が…いる…?
(ヴィッセル神戸公式YouTubeより引用)
そんなワールドカップアジア最終予選で味わうような「アジアらしいアジアのサッカー大会」を毎年堪能できるのが「アジアチャンピオンズリーグ(ACL)」。
これまで、このプロレスのような「ACL」は「日本テレビ」の有料ニュースチャンネルでごくごく限られたサッカーファンが見る細々とした弱小コンテンツでした。
だから、ACLにおける「乱闘」も「狂ったジャッジ」も日本ではそんなに話題になりませんでした。
そのような過激なコンテンツ…「ACL」というアジアの別世界で行われてるサッカーを
普通のサッカーを見慣れている「Jリーグファン」や
紳士的な「プロ野球ファン」の多い「DAZNユーザー」にを提供する事。
これはアジアサッカーの実態を日本のサッカーファンに晒すと言う「DAZNの賭け」と言えるでしょう。
「DAZN」が賭けに出る理由1:「Jリーグ」のファンを「DAZN」は取り込めているのか?
これは僕の肌感覚なんですが…
「ヴィッセル神戸ファンのほとんどがDAZNに加入している」。
なぜそう思うかと言うと、
サッカー仲間やTwitterなど、ほとんどのJリーグを語っている人たちは「DAZN」を見ていると思われるからです。
コアファンはもちろん、結構ライト層まで「DAZN」は浸透している感じがあります。
でも、20年12月22日の時事通信社によると
実情はまったく違う事がわかります。
新型コロナウイルスの影響で世界中のプロスポーツが中断した影響もあるものの、DAZNの苦戦が透けて見える。加入者数は非公表だが、インターネット行動分析サービスを提供するヴァリューズ(東京都港区)によると、昨年のウェブ版の月間利用者数は平均125万人。今年3~5月はさらに半分に減ったという。赤字計上が続く中、目標とする22年度の黒字転換は厳しい状況だ。
(JIJI.comホームページから引用)
テレビとかでJリーグのファンが約1000万人くらいいると聞いたことがあるので、
DAZNの月間利用者数の平均125万人だとすると…
「DAZN加入者数」は、Jリーグの約1割しかいないという事になります。
つまり、僕の肌感覚とは違って…
数字的に「DAZN」は潜在的ユーザーを取り込めていないと言えるのです。
DAZNにおける「Jリーグファン取り込み策」の切り札こそが「ACL独占放映権の獲得」だったのではないでしょうか?
毎年、Jリーグの上位クラブがアジアを目指す戦いをライブ配信する事で
日本のサッカーファンを囲い込む事…
これが「DAZNが大きな賭けに出る」理由のひとつです。
「DAZN」が賭けにでる理由2:Jリーグ勢が敗退した後の「ACLの価値」
これまで何十年もサッカーを見てきたサッカーファンの一人として、断言できることがあります。
それは、「アジアチャンピオンズリーグ(ACL)の人気は言うほどはないよ」という事です。
なぜ、ACLの人気がないのか?
理由は簡単です。
「Jリーグ」以外のアジア市場開拓をしてこなかったからです。
そこで問題になるのが「日本のクラブ以外は興味のない日本のサッカーファン」。
例えば、アジアの強豪リーグと言える「Kリーグ(韓国)」。
あなたはKリーグで見たいチームはありますか?
僕の答えは「ありません」。
「韓国の強豪クラブ・全北現代」がどんだけ強くても、
所詮は韓国のチームなんて魅力的に感じないからです。
神戸に在籍しているイニエスタ選手みたいに絶対に見てみたいと思える有名な選手もいませんし…。
韓国のクラブですら魅力を感じないのだから、
当然、アジアの他のクラブにも魅力的だとは思えないのです。
日本のサッカーファンがアジアの強豪クラブ同士のゲームでも見ない理由です。
だからこそ、日本人の興味がない「日本のクラブが敗退した後のACLの価値」は「DAZN」にとって大きなリスクになります。
グループステージで日本のクラブが全滅するケースが、「DAZN」にとっての最悪のシナリオです。
「DAZN」が育てた常勝クラブ「川崎フロンターレ」 こそ「DAZNのワイルドカード」
2017年から「Jリーグ全試合配信」をしている「DAZN」。
「DAZN」が「Jリーグ」を配信し始めてから、急激に伸びたクラブと言えるのが「川崎フロンターレ」。
なぜ、急激に伸びたのか?
それには理由があります。
DAZNと10年間の放映権で2100億円という大型契約を結んだJリーグ。各クラブへの固定配分金の他に“理念強化配分金”としてJ1の上位(1位~4位)までに配分金が支給されることになった。1位(優勝)には15億5000万円が3年間に分けて支給され、2位は7億円、3位が3億5000万円、4位には1億8000万円となっている。
つまり悲願のJ1初優勝を果たした川崎が3億円の優勝賞金、3億5000万円の固定配分金に加えて理念強化配分金の15億5000万円を支給される権利を得るので、合計で22億円となる。(AERAホームページより引用)
「川崎フロンターレ」は「DAZNマネー」が最も多く獲得したクラブなのです。
- 2017年 J1-優勝 ACL-ベスト8
- 2018年 J1-優勝 ACL-GL敗退
- 2019年 J1-4位 ACL-GL敗退
- 2020年 J1-優勝
つまり、「DAZN」が常勝クラブへと育てたともいえる「川崎フロンターレ」。
「DAZNの切り札・川崎フロンターレ」なら、毎年アジアの頂を獲得してくれる…
ACLの最後まで勝ち残ってくれると「DAZN」は計算している!
そして、決勝まで日本のサッカーファンが「ACL」を楽しんでくれる。
その目論見こそが、「DAZNが大きな賭けに出る」理由のひとつだと思います。
「DAZN」が賭けにでる理由3:アジアのリーグに進出する「日本人選手」
「DAZN」は8年間と言う長期の独占放映権を獲得しました。
そこで問題になるのが「ACLの不人気」。
8年間という長い期間、日本のクラブがずっと成績を残すというのは常識的に難しいので、「ACL」というコンテンツを地道に育てていく必要が「DAZN」にはあります。
なぜ、日本のサッカーファンに「ACL」の人気がないのか?
前にも述べましたが…
理由は「Jリーグ」以外のアジアのリーグについて市場開拓をしてこなかったからです。
現状の打開という意味においては、
「DAZN」には「アジアサッカー市場の開拓」と言う宿題が課せられました。
どうすれば、日本のサッカーファンに
・中国超級
・Kリーグ
・Aリーグ
・東南アジア諸国のリーグ
について、興味を持ってもらうのか?
「テレビ朝日」も「日本テレビ」も取り組まなかった
とてもむずかしい宿題だと思います。
でも、アジア市場開拓への突破口が最近見えてきました。
それこそが「日本人選手のアジア進出」。
現在21歳の檀崎は、昨年11月に札幌から2021年6月30日までの契約でブリズベン・ロアーに期限付き移籍加入。Aリーグのレギュラーシーズン25試合に出場して9ゴール1アシストを記録し、チームをリーグ戦の上位6チームによって争われる「ファイナルシリーズ」へと導いた。ファイナルシリーズのアデレード・ユナイテッド戦にも出場したものの、チームは1-2で敗れてシーズンを終えた。
(サッカーキングホームページより引用)
Aリーグで活躍した檀崎選手。
檀崎選手が所属していたのが、今季のACLを辞退した「ブリズベン・ロアー」。
つまり、コロナ禍がなければ檀崎選手がACLで大活躍した可能性もありました。
このような事例…
ACLに参戦するようなアジアの強豪クラブに日本人選手を移籍させる。
日本のサッカーファンに興味を持ってもらうには、ヨーロッパリーグの人気アップで培われたこの手法こそ最善手なのではないでしょうか?
「アジア進出の先例」となった小野伸二選手
「日本人選手のアジア進出」の先例となったのが、2014年ACLの「ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(オーストラリア)」で活躍した小野伸二選手。
この年、ACLを制覇したのは「ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ」でした。
この日、誰もが認めるマン・オブ・ザ・マッチの活躍でフル出場の小野は、試合後には満面の笑みでチームメイトと喜びを分かち合った。小野は、この試合でWSWでの全日程を終え、日本へ帰国。
(日豪プレスホームページより引用)
これまでの「ACL」を放映していた「テレビ朝日」「日本テレビ」は「日本人選手のアジア進出」をあまりクローズアップしてきませんでした。
なぜなら、「ACL」の放送は「日本のクラブ」のみだったからです。
「DAZN」は東地区グループステージ全試合放送予定。
アジアの強豪クラブ同士のゲームだけでは「見る気がしない」かもしれませんが…そこに「自身が応援しているJクラブ出身の選手」が出場していたらどうですか?
例えば、「全北現代(韓国)」に所属している邦本選手が出場しているならアビスパ福岡のファンなら見ようと思うかもしれません。
それが今後の「アジア市場開拓」につながる気がしています。
今年の檀崎選手が活躍した事もあり、今後もオーストラリアや東南アジアなどで「日本人選手の進出」が活発化していく傾向にあります。
「日本人選手のアジア強豪クラブ進出活性化」による「アジアサッカーの人気の高まり」が期待されそうな状況。
これも「DAZNが大きな賭けに出る」理由のひとつと言えそうです。
「DAZN」の経営に将来を左右される「Jリーグ」
「ACL独占放映権」を「DAZN」が獲得した事。
この事は「Jリーグ」も無関心ではいれません。
なぜなら、「Jリーグ」と「DAZN」は「表裏一体」の関係だからです。
Jリーグの村井満チェアマンは、新型コロナウイルスの影響でJリーグの状況も大きく変わり、DAZNとのWin-Winの関係を維持するためにも、リーグ中断決定後から迅速に議論を重ねてきたとコメント。「これからJリーグはどう回復、成長できるのか、DAZNは日本でどう展開していくのかを議論して合意しました。まさに今日、結実した内容となっています」と話している。
(サッカーキングホームページより引用)
「DAZN」の経営悪化は「Jリーグ」のリーグ運営に大きな影響を与えます。
その上で「ACL独占放映権」を獲得したのだから、「Jリーグ」として本気でACLを獲りに行く環境を整えてくると予想します。
これまで、日本のクラブは「ACL軽視」をしてきました。
そもそもなぜメンバーを大幅に変えたか。スポーツニッポンの18日付の報道によれば、ユン・ジョンファン監督は「ACLよりJリーグを優先しているのか?」と聞かれ、「今年、ACLよりJリーグに重点を置いているのは事実です」と明言した。主力を休ませたというわけだ。
(J-CASTニュースより引用)
理由は「Jリーグを優先している」から。
「ACL」は「アジア最高峰」とは一応言われていますが…
優勝賞金もクオリティも「Jリーグ」の方が上。
だから、「乱暴なプレー」「狂ったジャッジ」が横行する「カオスなACL」を日本のクラブが軽視するのは仕方なかったと思います。
大事な選手を「乱闘」で怪我させるなんて事があれば…。
そんな「ACL」を運営する「アジアサッカー連盟(AFC)」に対して、「Jリーグの抗議」はいつも弱腰対応ばかりだった印象です。
「DAZN」が放映権を獲得したのだから、今年からは「Jリーグ本気の抗議」を「ACL」で見れるのではないかと期待したいと思います。
「DAZN」が「8シーズンのACL独占放映権獲得」と言う大きな賭けにでました。
もし「DAZN」が失敗したら、「チャンピオンズリーグ(CL)」の独占放映権を途中で放り投げた時のような状況に「Jリーグ」も巻き込まれるのは必至です。
「ACL」で日本のサッカーファンを「DAZN」に惹きつける事ができるのか?
「DAZN」だけではなく、「Jリーグ」にとっても…
2021年は「ターニングポイント」になる年になりそうです。
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